世界13カ国を夫婦で貧乏旅行した時の世界一周旅行記。帰国後は登山と自転車のことなどを中心に。

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スノウリ、ネパールからインドへの国境(後編)

ネパール、インド間の国境の画像
国境を目の前にしたオスダル。ここを越えればインドだ!

国境を越えると、たくさんのジープやタクシーが旅行者を待ち構えている。その中の1台を捕まえてヴァラナシまで行きたい旨を告げると、ここからは遠すぎるのでまずは途中にあるゴラプールという町まで行き、そこから電車なりバスなりに乗り換えるようにとの返答。了解してジープに乗り込み中で待っていると、窓の外から身なりの整った背の高いインド人が話しかけてきた。

「お前はここからヴァラナシ直通のバスがでているのを知っていてこのジープに乗っているのか?俺がバスのチケットを取ってやるから着いて来い」 確かに直通のバスがあるのであれば、そちらに乗り換えた方が時間も金も節約できる。彼の言うことを信じた僕らはジープを降り、バスのチケットを扱っているという彼の知り合いの店へと向かった。こんな胡散臭い奴の言うなりに店に入ってしまて大丈夫だろうかとも思ったが、彼は約束どおりバスのチケットを手配してくれ、何も請求することなくその場から立ち去った。なんだ、いい奴ではないか。幸先がいいぜ。

バスの来るのを待つこと30分、やっぱりインドは列車だけではなくバスも遅れるのだ。今度は背の高いインド人とは別の、オニギリ型の輪郭に口髭を生やした、背の低い胡散臭い男(以降、ヒゲオニギリ)がこちらに近づいてきて、僕らにこう告げた。

「今日はホーリー祭だろう?30人以上乗客が集まらないとバスは来ないよ



なんだって!?意味がわかんねーよ!!じゃあどうやってバスの運転手は乗客の数を数えるんだ?ここまで来て客数を勘定して、30人いなかったら帰るってのか?そんなことは絶対あり得ない。もしかして、さっきの背の高い男も含め全員グルか?チクチョー!!これは一杯食わされたかもしれん!!

慌ててバスのチケットを買った店の中を見ると、先ほど手続きをしてくれた受付の男の姿はどこにもなく、いつの間にかボケた老人が座っていて、何を尋ねてもホゲーっとしたまま何も返答しようとしない。何てこった!

店の外へ出て、ヒゲオニギリに「今すぐバスのチケットをキャンセルするから返金してくれ!」と激しく主張するオスダル。しかしヒゲオニギリはこんなことを言いやがる。

「俺はタクシードライバーだ。バスのチケットとは関わり合いがないから知らないね。もしバスのチケットとタクシー料金の差額を払ってくれたら、ここからヴァラナシまでダイレクトで行ってやってもいいぜ。ただし、タクシー代は3万円だがな(インドの物価にして30万円くらい)」

オスダルは「誰がお前のタクシーなんかに乗るか!」と断固拒否。「とにかくバス代を返してくれ!」と何度も主張したが、一度渡してしまった金はそう簡単に戻ってくるはずもなく。

そこを偶然通りかかったローカルバス(ホーリーで休みなんじゃないかよ!)。ヒゲオニギリは「おい!あのバスがそうだ!早く乗るんだ!」という言う。何が何だかよく分からなかったが、我々は一刻も早くその場を立ち去りたかったので、バスに乗り込んだ。するとバスの添乗員らしき男が後から乗り込んできて「バゲジは幾つだ?2個か?じゃあ300ルピーだ」と荷物代を請求してきた。頭が混乱したまま金を払うと、その男はバスの発車直前、ヒョイと車外に飛び出した。えっ!?

バスが発車してから暫くして落ち着きを取り戻し、前に座っていたネパール人の老人にバスの乗車料金を尋ねると、我々が奴らに払った額の10分の1、そしてバスはヴァラナシではなく途中のゴラプールという町が終点。当然荷物代なんてものはタダだよ、とのことであった。メスダル曰く「荷物代を請求した人って、さっき店にいた人だよね」と言う。

うがーっ!!覚えてなかった僕も悪いけど、何で早く言わないんだ!と自分も悪い癖につい八つ当たりしたい気分になってしまう。頭の上に「アホ」とかかれた大きな石がドーンと落ちてきて、さらにその上に「バカ」と書いた石がダメ押しで落ちてきて乗っかったみたいな気分。

ゴラプール駅前の画像。治安が悪そう・・・
ゴラプール駅前。駅周辺にはどこも胡散臭い連中が集まるので注意が必要

さて、ローカルバスがゴラプールに着き、外へ出ると、早速何者かが擦り寄ってきて「どこ行く?」と言う。ヴァラナシまでバスで行きたい旨を告げると、近くでチケットを手配してやるから着いて来いという。何だか国境での話と似ているなぁと思いながらも男の言う店に入ると、受付に座っているジジイが「今日はここからヴァラナシまでのバス、ホーリー祭でストップね。お前はタクシーに乗れ」と言う。

タクシーの金額を尋ねると案の定、法外な料金だったので、諦めて近くの駅で自分で列車のチケットを手配することにする。しかしこの列車の座席を予約する為に並んでいる列が長蛇の列で、結局チケットの手配に2時間を要し、更に列車の発車時刻までまだ10時間も残っている。

ゴーラクプル駅の画像。人多すぎ。
ゴーラクプル駅内。人多すぎ、しかも男ばっか

仕方がないので駅の中をうろついていると、線路の真ん中に素っ裸で立っている謎の女を発見。黒い身体に白い垢がこびり付き、髪はゴワゴワに伸び放題。少なくとも半年は風呂に入っていないような印象を受けた。彼女は胸の辺りで鎖を引きちぎるような動作を繰り返し、その度に「うわおー」っと雄叫びを上げながらゆっくりと前進していた。

その様子をプラットフォームの上で眺めている僕の横を、2匹の野良犬がシタタタッと駆け抜けていった。何だかとってもインドに来た気分。そして何とか無事列車に乗り込み、翌朝我々はついにインドの聖地、ヴァラナシへと到着したのであった。

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