世界13カ国を夫婦で貧乏旅行した時の世界一周旅行記。帰国後は登山と自転車のことなどを中心に。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

グラナダのサンブラ(フラメンコ)

グラナダ風フラメンコを踊る踊り子の画像その1
フラメンコの踊り子1

アリカンテからバスで6時間ほど山間を移動し、僕らはスペイン南部の都、グラナダへと向かった。距離的には丁度東京から大阪までバスで移動するくらいを想像してもらえば良いだろう。ぼんやりと車窓を眺めていたら、ゴツゴツした岩山の砂地に大きなウチワサボテンが群生している姿が見えてきて、だんだん近づいて大きくなってきたなと思ったら、あっという間に車窓の向こうに消えていった。眩しいくらい青い空には、積乱雲に近い雲がもくもくと生えていた。

グラナダに到着してまず目に入ったのは、ブランドものの店や銀行が立ち並ぶ通りをアイスクリームを舐めながら大勢の観光客が行き交っている様子。それはまるで東京の表参道かキャット・ストリートのようで、自分が抱いていた情熱の土地、アンダルシアのイメージとは幾分異なるものであった。おそらく東京にやってきた外国人のうちの何割かも、今の自分と同じような心境を味わうものなのかもしれない。あれ、忍者はどこにいるんだ?みたいな。
 
それでも思うがままに街をうろついてみると、モロッコ製の品物(水煙草や鳩の糞でなめした革製品等)を売るスーク(商店街)のような通りがあったり、街のあちこちで違法DVDを売る黒人がいることに気づいたりして。濃度は薄いのだけれど、道を歩いていると時々、アフリカの香りが時々ふわっと流れてくるような感覚を覚えた。

なんて気楽なことを考えつつ、今夜泊まる宿を探していたのだが、何と9軒ほど訪ねた宿の全てが満室。どうやら4月の1ヶ月間、グラナダでは細かなイベントが続く漸くらしく、今の時期は午後になるとどの宿も部屋が埋まってしまうらしいのだ。そんなことガイドブックには書いてなかった、やばい、初めての土地で野宿か!? と大いに焦るも、10軒目に訪ねた宿で、何とか最後の1室に飛び込むことができたのであった。

翌日は観光客で賑わうレイジェス・カトリコス通りから坂道を登ってグラナダの古い町並みの残っている地域へ。10分ほど石畳の道を登っていくと、右手にかの有名なアルハンブル宮殿が、そして左手には白壁の家が群集するアルバイシンと呼ばれる地域が見えてきた。

そこはレコンキスタの最終段階(1490年代)の時に、攻め来る白人達から町を守ろうとしたイスラムの住民達が自ら砦となって多くの血を流し、白壁や石畳を染めたという辛い歴史を持っている場所なのだそうな。けれど実際この場所に立って、晴れ上がった青空の下、真っ白な家々が静かに並んでいる今の風景を見る限り、かつてここでそのような戦いが繰り広げられたのだというイメージはなかなか浮かんでこなかった。

グラナダ風フラメンコを踊る踊り子の画像その2
フラメンコの踊り子2

夜9時過ぎからは、アルバイシンにある洞窟住居でフラメンコを鑑賞。グラナダのフラメンコはサンブラと呼ばれるこの土地特有のもので、フラメンコの中でも泥臭く、かつ、情熱的と謳われているのだとか。僕たちはフランスパンのような縦長の洞窟住居の室内に入り、横並びの椅子に座って待つこと暫く。

荒々しくもどこか憂いを帯びたギターと、複雑に変化する手拍子に乗って登場したのは、腰をギュッと絞った水玉のドレスを身に纏った、3人のロマ族の女達。若い女が2人と、中年の太った熟練らしい女が1人。3人とも強い性格を表すようなきつめの化粧を施しており、特に黒い布をドレスの上に着た熟練の女の身体から、じわりと溢れ出す迫力が凄い。

彼女達が伴奏に合わせてロマ族の情感溢れる曲を歌い出した瞬間、ビリビリと音の振動が身体に伝わってきて、全身の毛穴が一斉に広がるような興奮を覚えた。そして若い踊り子が1歩前に出ると、手首をゆっくりと回しながら指を1本づつ閉じていくような、指の先まで神経を集中した繊細な動きでもって踊りを舞い始めた。

その指先の動きに見とれていると、踊りは突如強烈な力を込め、ヒールで床をガガガガっと何度も叩きつける動きに変わり、意識をパーンと殴られたような衝撃が走る。その床を叩く音は、演奏者の手拍子のリズムと交じり合って複雑なリズムを刻んでいる。そして彼女がぐるっと回転する度に、風に乗った女性の香りがムワッと鼻をつく。狭い室内で、演奏者と踊り手と観客が渾然一体となって行われるものだから、全員の熱気が混ざりに混ざって興奮は嫌がおうにも高まっていく。その気迫と迫力はとても言葉で表現しつくせるものではない。

グラナダにはアルハンブル宮殿だとか、白い村など、魅力的な観光スポットが複数あるけれど、僕は今夜のロマの踊りで、観るべきものは全て観てしまったような気分になってしまった。均一化された街の日常風景には現れないけれど、アンダルシアの情熱は確かにこの街に息づいていると感じた。

次の日記へ


スポンサーサイト

コメント

ロスより

お久しぶり。旅、楽しんでるようだね~。スペインからの絵葉書、無事届きました。ありがとう。うちのだんなが「こんな小さい字は見たことない!!!」とおののいてました。絵に書かれた落書きにもしっかり注目、うけてましたわ(笑)あれはめすだるが書いたのだろう、と推測していたけど、私はおすだるだろうと思ってます。スペインのおいしい食事、うらやましいなあ。こっちはあかんぼに明日から離乳食を開始(っても1日スプーン1、2さじ程度やろうけど)することになってうきうきだよ。毎日成長が見られて育児を楽しんでますわ。2人がロスに出没する時にはおすわりくらいできてると思うので期待しておいて。早く会いたいなあ。でもその前にもっといろんなとこ行って、来た時にたくさんおみやげ話聞かせてな。ではけがや病気にならんよう、気をつけて旅をつづけてくだされ。

れすだる

ミキへ >
おー、元気そうでなにより。葉書、もうついたんだね。早いなー。落書きは僕だよ。よく気づいたねぇ。SORAちゃん、ついに離乳食か。子供の成長が分かるのは楽しいだろうね! 早くそちらにお邪魔したいです。ではではまたー。

くぅ・・・っ

フラメンコ習ってる(現在休止中)身としては、一度は本場に訪れてみたいです・・・日本でスペイン人の踊りを見ても、迫力が全然違いますもんね。youtubeも拝見しましたが、やっぱ素敵!!うらやましすぎ~!

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://toriiro00.blog62.fc2.com/tb.php/54-b1ed68d9

 | トップページに戻る | 


※ご感想・お問い合わせ:dogra11@hotmail.com
※当ブログはリンクフリーです。You can link to our page without permission.
※当ブログ内に掲載されているすべての文章、及び、画像の無断転載、転用を禁止します。すべての文章は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。 Copyright 2006-2007 Keisuke.Izumi. All rights reserved. Never reproduce or replicate without written permission.(darukoro douchu)

コンテンツ

移動ルート
旅の写真集 【NEW】
過去の表紙 【NEW】

旅のオモロ動画集

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。