世界13カ国を夫婦で貧乏旅行した時の世界一周旅行記。帰国後は登山と自転車のことなどを中心に。

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セビーリャのバル

200年以上続くスペインバルの画像
1800年代から営業を続けているというセビーリャのバル

セビーリャに到着。空気の乾燥したグラナダと比べ、日中に上着を着ていると背中に汗をかくくらいの蒸し暑い陽気。グラナダにあったようなブランド・ショップはここでは見られず、田舎特有ののんびりした空気が町全体に漂っている。この町は春祭りというスペインの中でも最も賑わう祭りの開催地として大変有名なところなのだけれど、そんな気配を感じないほど現地の人々も観光ズレしていなくて良い。また、グラナダよりもアフリカに近い位置にあるのにも関わらず、何故かモロッコ人や黒人を見かけないのは不思議なところだ。

僕らがここに着いた当日の天候は生憎の雨。夕方、雨合羽に着替えて、前から気になっていたバルに向かおうとしたのだが、どこで道を間違えたのかいつまで経ってもそこに着かない。ふいにメスダルを見ると、雨合羽の頭の部分から水がポタポタと落ちて前髪が濡れ、表情は幽霊の如し。

「もういいよ~、これ以上探してもグルグル同じところ回るばかりで見つからへん。ホテルの近くでどっか食べるところ探そうや~」等と弱気なことを言っているが、こういう台詞を聞くとオスダルはかえって燃える性質。「何を言うんだ、雨だからこそ笑って歩くのだ!」と言いながらずんずんと進む。しかし、彷徨う時間が少し長すぎたようで、漸く目的のバルに辿り着いた時には、2人も全身ずぶ濡れになって寒さでブルブルと震えていた。やはり引き返すべきだったか。
 
そのバルの名前は「EL Rincontillo」。」1670年に創業したというから、かれこれ330年以上の歴史を誇っていることになる。店内を見回すと、2階に通じるドアのアーチには「1898」の文字が彫刻されており、その歴史の古さを考えると眩暈がしそうな程である。

現地の人々に混ざってカウンターに立ち、たまたま目が合った猫背のおっちゃんに料理を注文すると、耳に乗せた白いチョークを手に持ち替えて、彼は木製の机の上に料金を書き込んだ。プラハのビアホール「金の虎」で、ビールを注文する度にボール紙に線を1本引くだの勘定方式も渋いなぁと思ったが、この店の机の上に直接値段を書き込む方式も渋い。味は一流にも関わらず、接客がどこかぶっきらぼう、けれど大勢の常連客で賑やといった料理店が僕は好きだ。

このバルで食べた料理は世界一と謳われるセビーリャ地方のイベリコ・ハム、それからガスパッチョ(複数の野菜を混ぜた冷製スープ)、イカのフリット等。どれも1皿2ユーロ未満に関わらず、恐ろしく美味かった。先ほどまで遭難者のようだった見た目も気分もすっかり元に戻り、ほろ酔い気分で機嫌よく宿に戻った。

ところで1つあまり書きたくないけど書かずにはいられないことがある。実はオスダル・メスダルともに、この1ヶ月間のヨーロッパの旅に少しマンネリを感じ始めている。旅自体はとても楽しいのだけれど、チェコからスペインにかけて風景や旅の感覚に大きな変化がなく、この先1ヶ月以上あるポルトガルの景色もそれ程違いはないのではないかという気がしてならないのだ。

個人的な推測として、旅をする人にはヨーロッパが好きな人とアジアが好きな人に大別されるのではないだろうか。そして僕らは後者の方で、アジアを旅している時は目に飛び込むもの感じるものの全てが刺激的で、どこへ行っても毎日が熱気に満ちていた。

スペインのとある市場に吊るされた可哀相なウサギ達の画像
上のバルの近くで見かけた肉屋。ウサギもぶら下げられている

腹を壊してフラフラの状態でオンボロのバスに揺られたり、胡散臭い連中に騙されたり、リクシャの値段を交渉したり。クラクションを鳴らしまくって事故スレスレのところで走る自動車や、廃墟のような建物、数え切れないくらいの物乞いたち。

それからアジアの空気、食べ物と糞と排気ガスと人と動物の入り混じったアジアの臭いそのものが旅を感じさせてくれた。これに対してヨーロッパは全ての物事があまりにも便利に進み過ぎる。贅沢な悩みだが、これが自分達の旅の好みなのだからどうしようもない。かの「深夜特急」でも、ヨーロッパに入るにつれて沢木さんのテンションが下がり、旅にも歳があるといったことが記されていたことを思い出さずにはいられない。

いや、やはりこんなことを言うのはよそう。ブラジルとキューバに関してはまた全く別の旅が待っているような気もするし、旅に飽きたのではなくて自分たちの訪れた一部のヨーロッパが、思ったよりも自分らにとって刺激が少なかっただけなのかもしれない。この先どんな予定になるかなんて自分でもまだ分からないのだから、早とちりしてネガティブにならずに旅を楽しもうと思う。

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コメント

ゴールデンウィークですよ

お元気ですか?旅で退屈したことはあるけど、一ヶ月も続くとなるとどうしていいか思い浮かばないですね。でもそれもなかなか出来ない経験ですね。ある意味羨ましいなあ。

俺は夏休みを少しずらして取れそうなので、スキあらばタイ、カンボジア行きを狙ってますよ。最近は仕事が終わって駅まで歩いてると、旅で見た喧騒がフラッシュバックしてきて、鳥肌立ちます。
まだ先は長いですがお互いがんばっていきましょう。

旅というより生活みたくなってきているのでは?
ある時期を超えたらまた違う価値を見出せるかもしれませんし。
なんてえらそうなことを書いてすみません。
私はどちらかというとヨーロッパの旅行記なんぞが好きです。
バル、行きたいなあ。

レスダル

ゆうすけ くん >
うん、日本での生活から考えたら明らかに贅沢な悩みだとは
分かっているんだけど。同じ場所に長くいて目が慣れると駄目
みたい。

仕事帰りに旅の映像が蘇るっていう感覚、いいなぁ、分かる。
その感覚がまた僕らの足を旅へと向かわせるのかもね。

jammyさん >
そうですね、常に行っていない所へ行って変化をつけようと
したり、何かしら面白みを見出そうととはしているのですが、
どうしてもある程度の慣れというものは起こり、それが旅を
生活化するのかもです。しかし、まだまだこれからです。

バルは毎日楽しいです。敢えて翻訳できない言葉の並んだ
タパスを頼んで、何が出てくるかわくわくしたり。どこにでも
あるタラ料理やガスパッチョを店によって比較したり。

ふふ、なんかそれわかるなー。
ヨーロッパって、文化が成熟している分、快適な反面「雑」さがちょっと足りないんだよねきっと。いい加減さともいえるつーか。あと、やばいものがやばすぎる。適当にイイカゲンでゆるいものに、旅行者の立ち位置から参加しづらい。
成熟した文化というのは、どうも極端なのだよね。
ま、雑ばっかりでも疲弊するから、そういうのもバランスを保つためには必要だと思うけど、、 
(たぶん、それにストレスを感じなくなる頃には、きっと日本では社会復帰できなくなるんだとおもおう)

きっと、雑雑安楽、雑雑楽、雑楽雑楽、雑楽々
みたいに織り交ぜてやるとずっと刺激的かつストレスや負担も少なくなるんじゃない~~?
まあ南米に関しては、この点に限っては安心(?というのもへんか)しなよ~ びっくりするぐらい、思うように物事すすまなくなるからね! 

ま、国から国へと渡り歩くんだもの。
落花流水、なにもかんも、楽しんで。
buen viaje!

れすだる

mineri さん >
そうなんだよねー、旅行者の立場として入りにくく、飽くまで
傍観者になっちゃてるから退屈するのかもなぁ。かといって
無遠慮に頭を突っ込むことも典型的日本人な自分には無理。
まぁ、今は南米に行くまでの「安」の時期として、それはそれ
で楽しむようにしようかと思っておりまする。

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