世界13カ国を夫婦で貧乏旅行した時の世界一周旅行記。帰国後は登山と自転車のことなどを中心に。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

リスボンの路面電車

リスボン午前7時頃の画像。まだ景色は青く、遥か向こうには大きな川が見える
リスボン、午前7時頃

退屈だの暇だのと文句ばかり言っていたセビーリャも、いざ離れる段になると違ってくる。雨の中を寒さに震えながらバルを探したことや、犬の糞の上を飛びかわしながら散歩をしたこと、そして黴臭く陰鬱な部屋でただやり過ごしただけの時間。退屈で意味がないと思っていたのに、振り返ると少し違うんだ。

本当は、旅に流れている時間に薄いものなんかない。その時は退屈で濃度の薄いもののように感じていても、暫く時間を置いてから記憶を掘り起こしてみると、どれもそれなりに味のあるものに変わっていることに気づかされる。

セビーリャに別れを告げた後は、ポルトガルの首都、リスボン行きの夜行バスに乗り込む。車中を見回すと、黒い革張りのシートが目に入り、「こりゃあ寝心地が良さそうだ」と喜んで席につく。ところがシートを後ろに傾けた途端、身体が下の方へとズルズルと滑り落ちてしまった。何度か身体の向きを変えてはみたのだけれど、一向に体勢は定まらない。革張りというのは意外に身体の引っ掛かりが悪く、寝心地も良くないということに気づく。結局、夢を見そうになってはズルっと身体がずり下がって目を覚ますといったことを延々6時間も繰り返し、明け方のリスボンに到着するまでの間、殆ど眠ることができなかった。
 
オスダル・メスダル共に目を真っ赤に充血させて、明け方のリスボンに着く。ついにヨーロッパの西の果まで来てしまったが、その感慨に耽るよりもまずは眠りたい。石畳の道の上、スーツケースの車輪をガラゴロと弾ませながらホテルへ。

しかしフロントに尋ねると、先日予約したはずの部屋がどういう訳か取れていないという。おまけに、今泊まっている人が出てチェックアウトするまでの間、どこかで散歩でもしていてくれなどとぬかす。腹立たしくも表へ出ると、早朝の街には人気も殆どなく、冷たく澄んだ空気が、ずっと手入れを怠っているかのように古びた建物を青白く彩っていた。

初めて見る景色の中を当て所もなく歩いていると、真っ直ぐ続く道の500メートルほど先の方に海が見えた。少し遠いけど、そこまで行ってみようかと話し、地図も見ずに海を目指して只管歩く。睡眠不足の呆っとした頭で、明け方の見知らぬ街を散歩すること。その感じが旅っぽくもあり、夢の中を彷徨っているようにも感じられて心地良い。眠い目を擦りながら海まで辿り着き、さて現在地を確かめようと漸く地図を開いて見てみると、そこは海ではなく、テージョ川と呼ばれる巨大な川であった。川の上を大きな蒸気船がゆったりと移動していく。

ホテルに戻った後はベットに倒れこみ、夕方まで眠る。再び目を覚まして窓を開けると、部屋の中の篭った空気と交換に、車や人の声の凝縮したゴウゴウという音が外から流れ込んできた。ベランダから下の広場を眺めると、朝の静寂はもうどこにもなく、白人と黒人が入り乱れた多くの人々が、街を忙しそうに歩いている。まだ重い身体を無理矢理起こして、僕達もその喧騒の中へと向かった。

  リスボンの路面電車の画像。狭いところも平気で走り回るのはまるで江ノ島電鉄のよう
リスボンの路面電車

リスボンの街を歩いていると、大きい道細い道、至るところに路面電車が走っている。細長い新型車両もいいのだけれど、やはり僕は一両編成の玩具みたいな旧式電車の方が好きだ。こいつに乗って坂道をガタゴトと登ってみる。体感30度位はあるのではと思われるキツイ坂道で急にガクンと止まったり、隙間の殆どないような民家の間を通り抜けたり。10分程も登った頃に右を見ると、坂下の向こうに、たくさんの赤茶色の屋根とテージョ川のパノラマが美しく広がっていた。

電車を降りた後は足の向くままに散歩。偶然見つけた古道具屋に入ると、そこは絵葉書、電車の切符、カルタなどの様々な紙切れを売る、紙の古道具屋さんであった。こういう場所でだけは、硬く閉じた財布もパカッと勝手に開く。そこで1959年とスタンプされた映画館の入場半券と、3匹のツバメがデザインされた宝くじ、絵柄の美しいレコード数枚を購入。

その店を出た後、リスボンでも有名な泥棒市へも行ってみたのだけれど、この紙の古道具屋さんとは比べ物にならない程ガラクタばかりであった。玉石混合ならまだしも、石石石・石・石石石と、掘り出したるは石ばかり。たまにいいなと思う物があっても、錆びたアイロン、靴型、馬鉄など、持ち帰ることのできないものばかりなのであった。また明日、紙の古道具屋さんに行こうかな。

次の日記へ
  

スポンサーサイト

コメント

すてきな町並みねー。
すっごい細い路地を通る路面電車!!
ポルトガル。。。リスボン。。。。どんなところなんだろ?
ぜんぜん予備知識がない私。

ついにポルトガル入り!
サウダージ!


未知の世界ってかんじがしてすごっくかっこいい

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://toriiro00.blog62.fc2.com/tb.php/57-f358855c

 | トップページに戻る | 


※ご感想・お問い合わせ:dogra11@hotmail.com
※当ブログはリンクフリーです。You can link to our page without permission.
※当ブログ内に掲載されているすべての文章、及び、画像の無断転載、転用を禁止します。すべての文章は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。 Copyright 2006-2007 Keisuke.Izumi. All rights reserved. Never reproduce or replicate without written permission.(darukoro douchu)

コンテンツ

移動ルート
旅の写真集 【NEW】
過去の表紙 【NEW】

旅のオモロ動画集

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。