世界13カ国を夫婦で貧乏旅行した時の世界一周旅行記。帰国後は登山と自転車のことなどを中心に。

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清潔と不潔

ハバナ中華街の画像その1
ハバナ中華街

ハバナ3日目。

朝起きてカーテンをめくると、雨あがりの景色が目の前に広がっていた。アスファルトは黒く濡れ、空には入道雲が天高く膨らんでいた。塵やガスが雨で飛ばされた為か、空気が澄んでいて気持ち良い。僕らは晴れやかな気分で散歩へと出かけた。

この街には1%のアジア人が住んでいるとのことだが、旧市街には中華街があり、10メートルはありそうな大きな門がその入口に構えている。中華街周辺の町構えは他の地域と比べやや荒んでおり、職業も観光目的のものよりも、現地人の為の商売、例えば自動車修理工場などが多く見受けられる。
ハバナ中華街の画像その2 中国人は結局どこにもいなかった
ハバナ中華街 その2

不思議なことには、中華街だというのに、中国人にはただの1人も出会わなかったことで。かえって現地のハバナ人(多くは白人と黒人のハーフ)達が僕らを見て、「シナ?ハポン?」とお得意の質問を交わしてくるほどなのである。もしかすると中華街が栄えていたのはもう大分昔の話で、今は大きな門だけが昔日の名残として建っているだけなのかもしれない。

この辺りは現地人の住宅街として主に機能している為か、どこか生活臭が漂っている。道には犬の糞が多く落ちていて、雨あがりの今日などはそれが水に溶けてモカアイス状になっており、汚い。古びた建物の2階にはたくさんの洗濯物がぶら下がっており、階下のドアが開いたと思いきや、そこから子供が飛び出してきて、そのまま自転車に乗ってどこかへと漕ぎ去っていったりもする。人々は我々観光客を敵視もしないが、特に関心も持っていない様子で、僕らはここで空気のように街を眺めていられる。旅人にはこういう空気が心地良い。

そういえば昨日ホテルで、1人の韓国人の中年女性と出会った。エレベーターに乗っているところを話しかけられ、そのままホテルのカフェで同じ席に座って話しをしたのだ。彼女の名はローラ・ジャング、見た目は完全な東洋人だが、カナダで生まれたネイティブである。彼女は席に着くなり「ハバナのことは好き?」と尋ねてきた。僕らは一瞬何のことか分からず「もちろん好きだよ」と答えると、彼女は「私はあまり好きじゃないわ」と言う。

ハバナ中華街の画像その3
ハバナ中華街 その3

「だって、不潔なんだもの。カナダやアメリカの生活は清潔よ。ハバナで一般家庭のお宅に招待されたけど、すごく汚かったの。日本も韓国も清潔でしょう。」 その場でとっさに良い返答が思い浮かばず、僕は「でも、汚い街は嫌いじゃないよ」とだけ答えた。実はこの彼女の台詞には、少しばかりカチンときていたのであった。確かに街は少しばかり汚いかもしれないけれど、貴方がこの街を見て感じたことはそれだけなのか?

ヨーロッパを旅した時に感じた喩えようもない退屈さ、全てが整ったが故の無味乾燥さは忘れられない。写真に切り取っても、どこも広くて綺麗なだけで、建物の模型を撮影しているみたいだった。そこでは僕らの気分もどんどん沈鬱になっていくのを感じた。それよりも多少不潔でも、混沌とした街の方がどれほど面白いことか! 現地の人々の生活が町全体に溢れた土地では、シャッターを切ると、素材がぎゅっと詰まっているだけでなく、ファインダーの中に人々の生活力が入り込んでくるような感覚がある。だから何を撮っても、向こうの方から絵になってくれるのだ。

人によって感じ方は様々だから一概には言い切れないけれど、僕は何かを見るなりすぐに「不潔だ」「汚い」というレッテルを貼る人間は嫌いである。人間なんてしょせん内臓に糞を詰めただけの糞袋。その上に張った薄皮に化粧を塗りたくって、私は人より綺麗だの清潔だのとほざいているだけの存在ではないか。それに僕らが清潔でいられるのだって、誰かが下水の手入れをしてくれて、水道があって洗濯ができ、便を流せるからで。もし誰かの手助けがなければ、手前の清潔なんてあっという間に消え去ってしまうものなのだ。

・・・なんて偉そうなことを考えつつ、じゃあ自分はどうなんだと言えば、やはりその清潔さを享受するだけの人間でしかなく、彼女と同じ立場なのであるが。まぁ、それ程深い議論などするつもりはないのだけれど、要するに僕は、外国であろうと日本であろうと、人の匂いのする土地が好きなのだ。さて、明日は再びメキシコに戻り、そこで3日間を過ごし、その後は友人のI夫婦の家に暫くお邪魔する。

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コメント

同感。人は人臭くあっていいし、
人の穴から出る物は所詮臭い。
なんだかんだ気取ったことを言ったところで
生物的な感覚を忘れたくないです。
でも、旅に出て、異文化の人が必死で生活してる感じが大好きなのだけど、それも上から目線なのだろうかとふと思う。
絶望と諦めの混じったちっぽけな人生の中の小さな幸せをふと思います。

れすだる

タコさん >
そう、それが言いたかった!

4年ぐらい前、この中華街の門の脇には「HOTEL NEW YORK」みたいな名前の廃墟チックなホテルがありました。
キューバはアメリカ嫌いかと思いきや!ってたまげた覚えがあります。
もうなくなっちまったかもだな。

キューバの田舎の民家は水洗便所なのに水が出なくて
数日分のウンコが放置されていたりして、
あれはあれでやや参りましたけどね。

れすだる

SMチャンさん >
やばいですねー、その名前。一体誰が泊まるんだ?
数日分の運子放置、いやですねー。アジアでは度々
ありましたが、あれを見ると気分が落ち込みます。

オスダルさんのフィルターを通して疑似体験を楽しんでるわたしとしては、キレイも汚いも秩序も混沌も何もかもを『あるがまま』切り取って伝えようと(たぶん)してるオスダルさんの誠実さが好きだな。誰かの人生や誰かの住む世界をひと言でまとめることなんてできないもんね。

れすだる

オタフクさん >
自分の意見を持つことは大切だけれど、世の中には1つの
価値観で言い切ってはいけないことも少なくないように思え
ます。自分のフィルタを通すから、完全にあるがままを切り
取ることは難しいので、少なくとも世の中を今の自分の価値観
だけでコウデアルと決め付けないよう心がけたいところです。

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