世界13カ国を夫婦で貧乏旅行した時の世界一周旅行記。帰国後は登山と自転車のことなどを中心に。

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波照間島行きの船、揺れる、揺れた!

波照間の風車の画像、よしもとばななさんの本にも出てきてたっけ
波照間島の白い風車

日本最南端の島、波照間島へ向かいたいが、台風の影響で2日間石垣島で足止めを食らう。3日目も1便・2便は欠航となり、また今日も石垣で過ごすのかと思ったが、15時の第3便が出航できることとなり、揚々船に乗り込む。

その日は波の高さが半端ではなく、出発して10分も経つと、窓の外には幾つもの波の山が跋扈していた。これが天然のジャンプ台の役割を果たし、波の上に船がグンっと乗ったかと思うや、波の一番高いところで一瞬無重力状態になり、その直後にドーン!という音と共に海面へ着水。その衝撃たるやすさまじく、船内の女性諸君から「ウギャーッ!!」と悲鳴が上がった。
  

男性諸君は辛うじて悲鳴を喉のところで留めているものの、心の中ではやはり悲鳴を上げているであろう。少なくとも僕は声に出さぬものの、「うわーっ、うわーっ、うわーっ!! 助けてくれーっ!!」と心の中で何度も叫んでいた。できることなら逃げ出したいが、ここは海の上。陸に着くまでの間は念仏でも唱えて心を無心に保つことくらいしかできない。女性諸君も恐怖が強すぎて悲鳴すら出なくなったようで、やがて船内には不気味な静寂が訪れた。本当に恐い時、人は考えるのを止めようとするので悲鳴など上げていられないのだ。

しかし船長は流石に船長というだけあり、時々尻にギュッと力を入れながら勇敢に船を操縦している。見た目は20歳そこそこ、茶髪に巻貝ヘアーのヤンキーである。外見だけを見ると彼に命を預けたくはないけれど、今は彼に乗客全員の命が委ねられている。 

悪夢は永遠に続くかと思われたが、船は1時間後に無事、波照間島に到着。港には、宿へ案内する為のワゴン車が幾つも停まっていて、その中に僕らが宿泊する宿の車も見て取れた。近寄っていくと、頭に手ぬぐいを巻いた宿の女の人が、笑顔で僕らを迎えてくれた。僕も笑顔で挨拶を返したが、実はその時、船の恐怖で足がガクガクと笑っていた。

初めて見る港の景色は、本当はのどかで素晴しいものだったのだろうけれど、その時の僕は身体から恐怖が抜けきっておらず、宿で休憩を取るまで景色を楽しむ余裕などなかった。港で周囲を見渡すと、同じ船に乗ってきた女性2人が、やはり恐怖で足が震えてしまうようで、ギクシャクしながら歩いていた。

宿に着き、部屋で少し休んだ後は、自転車に乗って近所の部落までちょいと出かけてみる。画用紙に横線を1~2本引いただけのような景色の中を、風を切りながらどこまでも走る。商業用の看板・広告の類は一切ない。目に飛び込むのはだだっ広い自然の景色だけである。なんて気持ちよいのだろう! 幾つかの坂道を越えたら、遠くの方に白い大きな風車が見えてきた。風力発電のプロペラだろうか? グングンと力強く空を切り裂くその姿が沖縄の空によく似合っていた。

波照間の民家の画像
波照間島の民家

やがて夜の帳が降り始める頃、目の前の空を、大きな翼の影がバッサバッサと羽ばたいていく姿が目に入った。その影は電線のところで飛ぶのを止めたかと思うと、逆さになって電線にぶら下がった。フルーツコウモリである。翼を広げた姿は50センチはあるだろうか、かなり大きく感じる。よく見たら、夕暮れの空を背景にして、電線のそこかしこに、フルーツコウモリが何匹もぶら下がっていた。襲ってきたらどうしようと思うが、よく考えてみたら彼らはその名前の通り、果物しか食わないのであった。

帰り道、「パナヌファと」いう真っ白くて四角い、積み木のような食堂を発見。ここは前々から来てみたいと思っていたお店なので、一杯引っ掛けて帰ろうと思うが、店の扉が開いていない。けれど、店のすぐ横で店員さんらしき人たちが屯していたので、「今日はお休みですか?」と尋ねてみる。すると店員さん曰く、「あ、ひょっとしてオスダル君とメスダルちゃん?」

波照間の花の画像
波照間の道端に咲いていた花

「えっ、何故僕らのことを知っているの?」 と、驚いて理由を聞くと、「超能力だよ」との返事。本当のところは、トネリコが予め僕らの到着予定をパナヌファに知らせてくれていて、今日あたり着く頃かなと思っていたのだとのこと。こういうのって、とても嬉しい。

店員のホゲちゃんは、「まぁ、椅子をどうぞ」と勧めてくれたのだが、それは椅子ではなく切り株であった。「デイゴの木がね、大分虫に食われたから、切り株にして椅子にしたんだよ」とのこと。その切り株に腰掛けて、冷えたお茶をいただく。

ふと横を見ると、猫が餌を食った後のお椀が置いてあって、そこに大量の巨大ゴキブリが集まり、長い触角を前後に動かしていた。そんなところで、「あ~、波照間島に来たんだなぁ」と実感を抱く。

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